中井久夫『臨床瑣談』が届いて読み始めました。 最初の部分は精神科医としての専門用語がならんでわかりにくかったのですが、じょじょに引き込まれるように読みました。
特に、昏睡状態の義理のお父様を奇跡に導くシーン、そして最後の段階での ある意味病院側のミス・・。これが3年間昏睡を続けている私の父と重なり合って読む手が震えました。 3年前に私の父は肺炎からくる腎機能低下で入院していて、いよいよ退院前に「尿の管を抜く為のお薬を飲んでください。」 と言われ服用をはじました。 すると「いやに痰が出る。」とゴホゴホ辛そうにしていたのですが、私は「苦しくなったら看護婦さんを呼ぶのよ。」 とナースコールを握らせて面会時間終了となったので帰途に着いたのです。だって、先生方が「退院ももうすぐですな。」とおっしゃるので。
ところが、夜中に父は痰がつまって息苦しくなってナースコールをしても5分看護婦さんが来なくて、父は脳に酸素が回らなくなり意識不明になったのです。(あとから聞かされたのですが、痰が出るのは薬の副作用だったのです。) 私の仰天したこと・・。泌尿器科の教授ら関係者全員に集中治療室前で頭を下げられたこと・・・・。 奇しくも実の弟が当病院の産婦人科助教授であるために、その教授陣に食ってかかれなかったこと、訴訟できなかったこと・・・。
中井先生は「魚を釣り上げる時には、魚の姿が見えてからが重要である。」と記しています。この本を、かの泌尿器科の先生方が読むべきであったのではないかと感じました。というより日本中のお医者様に読んで頂きたいです。
いよいよ丸山ワクチンの話題に入れそうです。
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