がんとの闘いは本当に大変ですね。
来年2月17日で丸山ワクチンを始めて2年になります。主治医とのやりとりは全て記録しているのですが、当時の診療記録を読み返してみると絶望的な言葉が並んでおり、今の自分があるのが不思議な気もします。
例えば、肝臓へ3回目の塞栓を行った後の総合評価で01年4月3日に主治医からこんな話がを聞いています。
>S7及びS2/S3に血管の新生を伴う活発な腫瘍がある。S4及びS8には血管の新生の少ない腫瘍があるように思われる(S5/S6は切除済み)。同時多発進行がんの状況で有効な治療法はなく、塞栓で延命を図りつつQOLを維持し、生きているうちにやるべきことをやっておくのがよいのではないか。
さらに4月6日にはこんな話をしていました。
>このような状態ではラジオ波もエタノールも適当ではない。ただし塞栓も側副血管ができて効果がなくなっており、動脈が潰れないうちに塞栓と並行して抗がん剤治療をやってみてはどうだろうか。インターフェロンと5FUの動注療法である。5FUが効かない場合はより強いシスプラチンに変更する。それでもだめな場合はスフェレックスという澱粉系の塞栓剤で連続的に塞栓をやってみる。他の療法としては免疫療法があるが、有効性に疑問があり東大ではやっていない。
転機が来たのは4月末で、抗がん剤治療を躊躇しているうちに腫瘍マーカーAFPが15000から8000に激減しました。主治医の見解は、腫瘍の急激な増殖で血液の供給が間に合わず中心部が壊死することがある。一時的な現象ですぐに増殖が始まると思うので早く抗がん剤治療を始めた方が良い、というものでした。
しかし、その後も改善が続き6月末には腫瘍マーカーは標準値に収まり、CTでも癌の増殖が止まったことが確認できました。主治医も、驚愕すべき事態で末期からこのような経過で回復した例を見たのは初めてだと喜んでくれています。
癌は一筋縄ではいかない代物ですが、何が転機になって回復に向かうか分からないので、あきらめず希望を持って来年もがんばりましょう。良いお年を。
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